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百合 庸介
no journal, ,
ビーム結晶化の実現に向けて、レーザー冷却による超低エミッタンスビームの効率的な生成方法を確立するとともに、そのようなビームに発現する秩序化・結晶化状態の特性を解明するため、分子動力学法に基づいたシミュレーション研究を行っている。今回は、レーザー冷却システムを備えた京都大学の蓄積リングS-LSRを周回する40keVのMgイオンビームを例として、これを100mKオーダーまでレーザー冷却した場合に形成される3次元的な秩序化状態を調べた。その結果、いくつかの異なるチューンで秩序化状態が形成されるものの、空間電荷効果による加熱が大きくなるため形成される線密度に上限があることが分かった。加えて、講演では、秩序化状態におけるイオンの規則的な配置や周期振動の様子等、シミュレーションにより明らかになったビーム特性についても報告する。
成田 絵美; 本多 充; 吉田 麻衣子; 林 伸彦; 浦野 創; 井手 俊介
no journal, ,
トカマク型核融合プラズマにおいてトロイダル回転は閉じ込め性能を改善する要因として重要である。JT-60Uにおいて正磁気シアで放物型内部輸送障壁が形成された放電では、トロイダル回転方向によるコア部での電子熱輸送の変化が報告されている。この放電では径電場シアは弱く、熱輸送への寄与は小さいと考えられる。本研究では、この実験に対してジャイロ運動論コードGKWを用いることで、乱流輸送を駆動する不安定性の線形成長率が回転方向から影響を受けることを示している。加えて、本講演ではこの影響を実験結果と比較し、熱輸送の変化の物理背景についても議論を行う。
福井 徳朗; 湊 太志
no journal, ,
原子核の励起状態を微視的構造模型を用いて精密に記述するためには、1粒子1空孔(1p-1h)状態の重ね合わせだけでなく、高次の粒子空孔状態の取り扱いが極めて重要であることが知られている。例えばスピン・アイソスピン反転を伴うGamow-Teller (GT)遷移においては、遷移強度が多粒子多空孔(p-h)状態などの影響で和則を満たさないことが知られている。このような観点から、GT遷移強度における2粒子2空孔(2p-2h)状態の影響を、Skyrme力を採用したsecond Tamm-Dancoff approximation (STDA)模型を用いて分析した結果が近年報告された。本研究では、先の分析で得られた結果の理解をさらに深めるために、実験と直接比較が可能な荷電交換反応の断面積における2p-2h効果の影響を分析する。遷移密度の計算にはSTDA模型を採用し、始・終状態間の原子核の遷移をLane模型によって記述する。荷電交換反応に対する遷移行列の計算にはdistorted-wave Born approximation (DWBA)を用いる。具体例としてCa(, )Sc反応を対象とし、その断面積の角度分布における2p-2h効果の寄与を分析する。さらに、遷移密度の計算にsecond random phase approximation (SRPA)を採用することにより、STDAでは考慮されていなかった原子核の基底状態の相関の効果を議論する。
本多 充; 仲田 資季*
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輸送コードによる分布の発展を支配する乱流輸送は理論に基づく物理モデルで評価されているが、簡約化の過程で捨象される物理現象も多い。近年の計算機性能の急速な発展に伴い、第一原理コードであるジャイロ運動論コードによる乱流輸送計算が比較的短い実時間で行えるようになった。本発表では、トカマク輸送コードTRESSと局所ジャイロ運動論コードGKVによる連成輸送計算の枠組み構築とそれを用いた初期結果を報告する。
佐藤 真一郎; 春山 盛善; 小野田 忍; 寺地 徳之*; 磯谷 順一*; 加田 渉*; 大島 武; 花泉 修*
no journal, ,
ダイヤモンド中のNVセンター(窒素・空孔複合欠陥)はたった1つでも蛍光検出できることや、原理的には数nmという高分解能で観察が可能であることから、従来の固体飛跡検出器よりもイオンの飛跡を精細に可視化することができると考えられる。今回、単結晶ダイヤモンドに高エネルギー重イオンを照射し、照射後に熱処理を施した後、共焦点レーザー走査型蛍光顕微鏡を使用して蛍光強度分布の3次元マッピングを行うことでイオン飛跡を検出することに成功した。また、ダイヤモンド中の不純物窒素濃度と飛跡検出特性の関係について調べ、100ppb以上の窒素がダイヤモンド中に含まれる場合は、イオン飛跡の検出が可能になることを明らかにした。
井上 静雄; 白石 淳也; 井手 俊介; 松永 剛; 諫山 明彦; 武智 学
no journal, ,
簡約化された単一流体方程式系に基づく磁気島シミュレーションコードAEOLUS-ITを用いて、トカマクプラズマにおいて磁気島が誤差磁場に捕捉される現象(Mode Locking)のシミュレーションを行った。外部コイル電流を周期振動させることで磁気島は回転し、Mode Lockingから解放されることが分かった。また、Mode Lockingの磁気レイノルズ数に対する依存性とその背景の物理機構を明らかにした。本発表では、これらのMode Lockingの能動制御手法と磁気レイノルズ数に対する依存性について報告する。
小林 恵太; 太田 幸宏; 奥村 雅彦; 山田 進; 町田 昌彦
no journal, ,
光格子中に閉じ込められた冷却中性原子気体では固体中の電子状態と同様の状態を作り出すことができ、その高い実験制御性から量子物性のシミュレーターとして注目を集めている。本研究では多軌道を持つ一次元フェルミ原子気体に対し、密度行列繰り込み群を用いた超伝導状態の解析を行った。スピン偏極がある場合にはFFLO状態が、また相互作用が強い場合には相分離状態が実現することを示した。更に、スピン偏極、原子間相互作用が共に大きい場合には、クーパーペアの重心運動量がとなる-paringと呼ばれる長距離秩序状態が現れることを明らかにした。
藤森 伸一; 小畠 雅明; 竹田 幸治; 岡根 哲夫; 斎藤 祐児; 藤森 淳*; 山上 浩志; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦*
no journal, ,
ウラン化合物に対して行ったU 4d-5f共鳴光電子分光実験の結果について報告する。ウラン化合物に対する共鳴光電子分光実験では、U 5d吸収端(hn~108eV)においてU 5f軌道散乱断面積の顕著な共鳴増大効果が報告されているのに対して、U 4d吸収端(hn~736eV)では共鳴増大効果が起こらないことが20年以上前から報告されている。しかし、幾つかのウラン化合物に対して価電子帯スペクトルのU 4d吸収端付近での振る舞いを詳細に調べてみたところ、弱いながらも明らかな共鳴増大効果があることが明らかとなった。本研究では、U 5f遍歴系から局在的、さらには重い電子系に対して共鳴光電子分光実験を行って、U 5f電子状態と共鳴増大効果の関係について議論する。
池田 隆司
no journal, ,
福島の環境回復に向け、県内の除染により発生した除去土壌等は、中間貯蔵を経て30年以内に県外で最終処分されることになっている。この最終処分の負荷低減等の観点から、放射性セシウムに汚染された除去土壌の減容技術の開発が求められている。本研究では、土壌から放射性セシウムをより効率的に分離回収するための技術開発に資することを目的に、第一原理分子動力学に基づいたシミュレーションにより福島の土壌に豊富に含まれる放射性セシウムが吸着しやすい粘土鉱物へのセシウムの吸脱着機構等を原子・分子レベルで調べている。本講演では、福島の土壌に多く含まれる風化黒雲母は鉄を多く含む3八面体型粘土鉱物であり、風化によりバーミキュライト化していることを考慮して、その膨潤層間におけるアルカリ金属イオンの吸着状態を第一原理分子動力学に基づいたメタダイナミクスにより調べた結果を報告する。
松井 隆太郎; 福田 祐仁; 川人 大希*; 岸本 泰明*
no journal, ,
相対論的電磁粒子コードEPIC3Dを用いて、クラスター媒質(サブミクロンサイズの水素クラスターと背景水素ガスで構成)と最大集光強度が1.010 W/cmに達する高強度レーザーとの相互作用を模擬する三次元数値シミュレーションを行い、得られるイオンのエネルギーについて調べた。その結果、等方的なクーロン爆発電場に加え、ローレンツ力の磁場成分JBにより前方へ加速された電子により、イオンを前方へ加速させる非等方的なシース電場が形成され、これらの重ねあわせによる非等方なクーロン爆発電場により、プロトンが前方へ約100MeVにまで加速されることを見いだした。
松岡 清吉; 井戸村 泰宏; 佐竹 真介*
no journal, ,
磁場構造が軸対称性をもつトカマク型装置において、非軸対称成分を持つ摂動磁場の効果が注目されている。磁場の非軸対象成分は新古典トロイダル粘性(NTV)と呼ばれる衝突性輸送に起因した粘性を駆動し、それがプラズマ回転分布に影響を与えるため、プラズマ回転を利用したプラズマ閉じ込め性能向上や不安定性制御の観点からNTVは重要な研究対象となっている。近年、摂動磁場によるNTV解析について、バウンス平均モデルに基づくSuperbanana-plateau理論と大域的運動論シミュレーションによる結果が一致しないことが指摘され、その不一致の原因となる物理機構の解明が課題となっていた。本研究では、物理モデルや計算手法について2つの異なる大域的運動論シミュレーションを用いてNTV解析を行い、理論モデルとの齟齬について検討した。その結果、(1)Superbanana-plateau理論で仮定されている歳差運動周波数の共鳴条件に不備があること、(2)摂動磁場による粒子軌道の遷移過程、の二つが理論において考慮されておらず、それらにより理論と大域的運動論シミュレーションによるNTV解析結果の不一致が生じていることを明らかにした。
森林 健悟
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重イオンビームの動径線量分布は重粒子線癌治療の治療計画に使用されているが、細胞の致死率で重要な領域である重粒子線の軌道付近は不確かである。そこで、この領域において、この分布を現実に近づけるため、動径線量シミュレーションモデルの開発を行ってる。本講演では重イオンビーム照射で起きる内殻電離を動径線量シミュレーションモデルに導入し、内殻電離の動径線量への影響を調べた結果を報告する。内殻電離をモデルに導入すると、動径線量は数10%程度増加することがわかった。この導入によりシミュレーションモデルを現実の状況に近づけることに成功した。
森 道康
no journal, ,
銅酸化物高温超伝導体は、元素置換や酸素量の増減によりキャリア密度を制御することで超伝導状態になる。そのため、空間的な不均一性が避けられない。本講演では、空間的不均一性による磁気励起スペクトルの形状変化について議論する。特に、電子相関による線幅増大の可能性を示し、低エネルギー領域と高エネルギー領域が異なる起源を持つ可能性を議論する。
安居院 あかね; 水牧 仁一朗*; Liu, X.*; 櫻井 浩*; 安達 美咲*; 柴山 茜*; 鈴木 宏輔*
no journal, ,
希土類-遷移金属(RE-TM)アモルファス合金膜は構成要素であるRE元素の磁気モーメントは円錐状にランダムに分布し、TMと重希土類の場合、磁気モーメントはフェリ的になったスペリ磁性と呼ばれる磁気構造をもつ。本実験ではRE-TMアモルファス合金膜の磁化過程を詳細に調べるために、SPring-8・BL39XUにおいて吸収測定(XAS)および磁気円二色吸収測定(MCD)を行い、その印加磁場依存性から元素別の磁化過程を観察した。組成の異なるものでも同様の測定をし比較したところ、電子状態の変化がほぼなくても磁化曲線の形状変化が大きく変化することが観測された。
今 亮; 西内 満美子; 桐山 博光; 小倉 浩一; 森 道昭; 榊 泰直; 神門 正城; 近藤 公伯
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超高強度レーザーと物質の相互作用によって生成される高エネルギーの光や粒子は近年新たな量子ビーム源として注目されている。通常、レーザーパルスには、強度が高いメインパルスよりも前に存在する"プレパルス"とよばれる光が存在する。この超高強度レーザーパルスに付随するプレパルスは、超高強度レーザーを用いた実験を行う上で非常に重要 なパラメータである。レーザーをターゲット物質に照射した場合、メインパルスが到着するより先にプレパルスによってターゲットがプラズマ化を起こす。このプラズマはプレプラズマと呼ばれ、高エネルギーの粒子や光の生成に大きな影響を及ぼすことが近年の研究で明らかになってきた。そのため、超高強度レーザーを用いた実験を行う上で高強度レーザーのプレパルス強度を計測することは、非常に重要である。一方で大型レーザー装置ではプレパルスの強度がショットごとに違うため、シングルショットで動作する時間コントラスト計測が要求されている。シングルョットかつハイダナミックレンジの時間コントラス計測器の開発を行い、実際に時間コントラストの計測を行った。講演では、計測器の詳しい構成や動作特性について報告する。
筒井 健二; 遠山 貴巳*
no journal, ,
銅酸化物高温超伝導体における酸素K吸収端共鳴非弾性X線散乱スペクトルを大規模数値計算により求め、波数依存性やキャリアのドープ依存性を理論的に議論する。
加藤 新一; 原田 寛之; 高柳 智弘; 堀野 光喜; 飛田 教光; 植野 智晶*; 金正 倫計
no journal, ,
大強度陽子加速器であるJ-PARC 3GeV RCSでは、負水素イオンを用いた荷電変換多重入射を入射時間0.5msで行っている。この際、ビームロスの原因となる空間電荷力の緩和や、周回ビームの荷電変換膜による散乱の低減のために、横方向の位相空間上の任意の範囲に入射ビームを配置するペインティング入射が必須となる。これは、水平方向に対して4台、垂直方向に対して2台の電磁石によって、入射中にビーム軌道を変動させることで行う。この電磁石電源では、電圧指令値を調整することで、0.5msで素早く変動する任意の電流出力パターンが形成されている。そこで今回、ペインティング入射の高精度化のために、電磁石出力調整アプリケーションの開発と、それを用いたペインティング入射調整手法の実証を行った。出力調整アプリケーションは、電圧指令値に対する出力応答特性の試験結果を元に作成した。その結果、設計値の2倍以上となる100Aの精度で出力調整が可能となった。また、調整時間も削減された。ペインティング入射調整では、測定した閉軌道歪みを加速器モデルに導入することで電磁石の蹴り角を算出した。そして、目標とする蹴り角との差に対応する出力の過不足を用いた補正を数回行なった。この結果、意図したペインティング入射が達成できた。以上より、ペインティング入射の高精度調整手法が確立できた。
深谷 有喜
no journal, ,
全反射高速陽電子回折(TRHEPD)法は、極めて高い表面敏感性を持つ構造解析手法である。陽電子は電子とは逆のプラスの電荷をもつため、陽電子に対する結晶ポテンシャルは全ての物質においてプラスの値をとる。このため、スネルの法則により陽電子における物質中の屈折率は1より小さくなるため、陽電子の物質中への侵入深さは電子に比べて小さくなる。さらに、低視射角入射では陽電子は物質中で取り得る状態が存在しないため全反射を起こす。全反射条件を満たした場合の陽電子の侵入深さは1原子層程度である。全反射の臨界角を超えると、陽電子の侵入深さは視射角の増加とともに大きくなる。したがって陽電子ビームは、全反射条件を満たす低視射角領域においては最表面のみをプローブし、全反射の臨界角を超えた場合は、視射角の増加とともに最表面直下からより深い原子層を徐々にプローブすることになる。本講演では、TRHEPD法の表面敏感性とそれを用いた表面構造解析例について報告する。
武田 全康; 鈴木 淳市*
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中性子小角散乱法は、試料内部に存在する約1nmから約10mに及ぶ広い空間スケールに渡る構造や構造揺らぎを非破壊的に観測することのできる優れた手法である。我々は、中性子小角散乱測定で得られた2次元小角散乱パターンから、焼結磁石内部の平均構造を実空間像に変換するためのソフトウエアの開発を行っている。散乱パターンには位相情報が含まれないため、実験データから実空間像を直接得ることができないので、まず、実空間でのモデルを構築し、それをフーリエ変換することで得られる2次元小角散乱パターンと実験データを比較するという手法をとっている。今回の発表では、前回の発表後に拡張した機能である磁区の取り扱いを中心にソフトウエア開発の現状を報告する。
中島 多朗*; 徳永 祐介*; 松田 雅昌*; Dissanayake, S.*; Fernandez-Baca, J. A.*; 加倉井 和久; 田口 康二郎*; 十倉 好紀*; 有馬 孝尚*
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室温マルチフェロイック・ヘキサフェライトBaSrCoFeAlOにおける磁気秩序を磁化・分極測定及び中性子散乱実験により明らかにした。基底状態の磁気構造はc軸方向にコーン軸を持つAlternating Longitudinal Conical (ALC)磁気構造であり、これにc軸垂直方向の磁場を加えると、格子整合な磁気伝播波数を持つノンコリニアな磁気相が現れることが分かった。